つまらないレイアウト

ただし、情報がきちんと整理されていて、文章も読みやすく、配色も適切であれば見る気になるかというと、そうとも限らないのがレイアウトの難しいところです。例えば辞書などは機能性が重視されますから、読みやすく使いやすいレイアウトであればそのJ目的を十分に果たしているといえます。つまり、機能的な条件を満たしていればいいレイアウトになるのです。このようなレイアウトの機能的な条件をここでは「論理的条件」と呼ぶことにします。

一方、広告や雑誌、フライヤー、ウェブサイト、パッケージといったほとんどのグラフィックデザインの領域においては論理的条件を満たしただけではつまらないレイアウトとなり、受け手の目を引き付けられません。このようなメディアでは楽しさや驚き、心地よさ、安心感、感動などの「感情的条件」も求められるのです。

例えば広告などでは、驚きなどで人を引き付けているものが多く、雑誌では読んでいて楽しさを感じさせる仕掛けをちりばめていたりします。食品委関するものであればおいしさを感じさせないと、受け手は食べるという行動に踏み切りません。人はこういった感情の部分で行動することが多いので、レイアウトにおいても論理的条件を満たしたうえで、さらに人の気持ちを動かす感情的条件も考慮する必要があるのです。

なお、論理的条件と感情的条件はケースバイケースで配分も変化します。シニア向けの雑誌であれば伝わりやすさを重視して、論理的条件を最優先します。しかし、ティーン向けのファッション雑誌などでは読みやすさという論理的条件を少し犠牲にしても、楽しさや心地よさを強く押し出すことが多くあります。それは媒体の目的に沿ったレイアウトにしているためで、決して間違ったことではないのです。

情報がきちんと整理され、読みやすいという論理的条件を満たしたレイアウトであっても、つまらないレイアウトではその媒体に課せられた目的を達成できない。楽しさ、驚きなどの感情的条件も取り入れることでレイアウトは成立する。

同じことを伝える場合でも、受け手によって、論理的条件と感情的条件の配分は変化する。シニア層向けには論理的条件が優先するが、より若い層向けの場合は感情的条件が優先することがある。

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